畳の上で生き様がぶつかり合った日─第6回ちはやふる小倉山杯で見た夢の巡り

まさか畳の上で、ここまで胸が震えることに出逢えるなんて・・・

 

札が飛び、静寂が張りつめ、息を呑む一瞬一瞬のなかで。

 

僕は「競技」を観ていたはずなのに、
いつの間にか「生き方」が巡っていたんです。

 

第6回ちはやふる小倉山杯。
そこにあったのは、勝ち負けを超えて・・・
それぞれの人生が、真正面からぶつかり合う光景でした。

 

これは、その日、畳の上で見た・・
本気で夢を生きる人たちの探検記です。

 

 

静寂が張りつめた瞬間、畳の上に別世界が生まれた

会場に足を踏み入れた、その瞬間でした。

 

音が、すっと引いていく。
話し声も、足音も、どこか遠くへ溶けていって、畳の上が別世界になっていた。

 

札が並べられ、選手たちの背筋が静かに伸びる。

 

誰も動いていないのに、もう、何かが始まっている。

 

張りつめた空気の中で、1人ひとりが、目の前の札と、そして自分自身と向き合っているのが伝わってくる。

 

読手さんの声が響く、その直前。

 

畳の上には、「勝ちたい」という単純な言葉では語れない、もっと深くて、もっと静かな覚悟が溢れていました。

 

ここは声を荒げる場所じゃないし派手な演出も煽る言葉もいらない。

 

けれど確かに、この場所では、夢が、命をもってぶつかり合っている。

 

そう感じた瞬間、僕はただの観客じゃなくなっていました。

 

この畳の上で何が起きるんだろう・・・。

 

気づけば、無我夢中なひとりの探検家になっていたのです。

 

それぞれの「かるた」が、まったく違う生き物だった

畳の上に並ぶ8人を見ていて、同じ競技をしているという感覚を失いました。

 

畳の上には、同じ札、同じ時間、同じルールがあるはずなのに。

 

目の前で繰り広げられていたのは、まったく違う「生き方」そのものでした。

 

川瀬将義さんのかるたは、まるで鋭い川の流れ。
迷いがなく真っ直ぐで、一度流れに乗ると誰にも止められない。
札が払われるたび、「決めた道を疑わず進む強さ」を見せられているようでした。

 

粂原圭太郎さんは、蛇のように、するり、ぬるり。
次に何が来るのか分からない。
気づけば、相手の呼吸ごと飲み込んでしまう。
油断した瞬間に、もう盤面の空気が変わっている。
そんな不思議な怖さと魅力がありました。

 

自見壮二朗さんのかるたは、どっしりとした大きな岩。
相手の勢いも、流れも、「ここまでだよ」と静かに止めてしまう。
動じない姿は、強さとは音を立てないものなのだと教えてくれます。

 

嵓田光洋さんは、若さ溢れるエネルギー満点。
札を払うたびに、「今、この瞬間を全力で生きている」というその熱が、こちらにまで伝わってきました。
輝く瞳がとても印象的でした。

 

山添百合さんのかるたは、1本の矢のように、真っ直ぐ。
迷いなく、狙いを定め、一直線に突き抜けていく。
その潔さが、とても美しい。

 

矢島聖蘭さんは、若さみなぎるエネルギーそのもの。
盤面に生命力が溢れていました。
見ているだけで、「これから」がどこまでも広がっていく感覚になります。

 

野添美依奈さんは、まるで畳の上を舞う妖精。
軽やかで、速くて、ふわっと風が通り抜けたかのように札を払う。
飛ばした札を取りに行く姿さえ、どこか可愛らしくて。
それもまた、彼女だけの魅力なんだと思いました。

 

そして、井上菜穂さん。
そのかるたは、もう・・・美しい。
思わず見惚れてしまうほど、ひとつひとつの所作が、畳の上に静かに花を咲かせていました。

 

誰1人として、同じじゃない。
勝ち方も、座る姿も、畳の上での呼吸さえ、みんな違う。
でも、その違いこそが、この世界をこんなにも豊かにしている。

 

競技かるたは、技術だけの勝負じゃない。
生き方そのものが、札を通してぶつかり合っているんだ。

 

八人八様。
誰1人として、同じかるたはいない。

 

ここでは、「上手い」・「強い」という言葉だけでは足らなすぎる。
畳の上に現れているのは、技術ではなく、その人がどう生きてきたか。

 

この大会がただの勝負ではなく、“本気の探検”だと感じた理由が、この8人の存在にビシッと宿っていました。

 

勝ち負けの奥で、誰もが自分と向き合っていた

勝敗がつく世界にいながら、畳の上に立つ8人は、誰ひとり「相手」だけを見ていないように感じました。

 

見ているのは、目の前の札・・・
そして、その奥にある自分自身。

 

1枚払うたびに、一瞬の迷い、一瞬の覚悟が、激しく交差している。

 

勝っても、負けても。
そこにあったのは誰かを打ち負かす快感ではなく、「ここまで積み重ねてきた自分」との対話だったように思います。

 

畳の上で起きていたのは、勝負というよりも、自分自身を探検する時間なのかな。

 

だからこそ、静かで、激しくて、こんなにも深かったのだと感じました。

 

これほどの世界に、まだ「プロ」がない悔しさ

これだけの技があり、これだけの覚悟があり、これだけの人生がぶつかり合っているのに。

 

それでも競技かるたには、まだ「プロ」という肩書きがありません。

 

それが、悔しくて仕方なかった。

 

スポーツとして見れば、十分すぎるほどの完成度ですし。

 

文化として見ても、これほど美しく、精神性の高い世界はそう多くないのに。

 

それなのに・・・

 

「好き」だけでは生きていけない現実が、ここにもあるのか。

 

この世界が、“続けるために、諦めなければならない何か”を抱えていることが、僕のなかにズシンと重く残りました。

 

優勝とは、プロの道を歩くこと──川瀬将義さんへ

優勝した川瀬将義さんの姿は、なにかを誇示するようでもなくて。

 

ただただ、静かでかっこよかったなぁ。

 

多くを語るよりも、繊細で激しい川の流れのようなかるたが物語っているように。

 

勝つために積み重ねてきた時間。
迷いながらも選び続けてきた道。

 

それらすべてを、「この1日」に差し出した人の姿でした。

 

優勝とは、才能の証明でも勝ち誇るものでもない。
覚悟を最後まで形にした結果なのだと、その姿から響いてきます。

 

ポンコツな僕でも、夢を思い出させてくれた

正直に言うと、この場に来るまで少しだけ疲れていたんです。

 

夢を語ることにも、続けることにも、どこかで臆病になっていたから。

 

でも、この畳の上を見てはっきりと思い出したんです。

 

ああ、そうだった。
夢って、こんなふうに、生き方そのものだったよなぁって

 

派手じゃなくていい。
誰かに認められなくてもいい。

 

それでも、自分の選んだ道を、苦しみながらも楽しんで進むこと。

 

ポンコツな僕でもね、胸の奥が熱くなるものを感じました。

 

だから願う。どうか、みんなプロになってください

どうか、この世界に生きる人たちが、「好きなことを、好きなまま、続けられる未来」が巡ってほしい。

 

競技かるたが、文化としてだけでなく。
生き方としても、ちゃんと守られる世界であってほしい。

 

この畳の上で輝いていた人たちが、ワクワクドキドキして夢の続きを生きられますように。

 

疲れたら、夢降る隠れ処へ帰っておいで

もし、どこかで疲れたら。
もし、迷ってしまったら。
立ち止まりたくなったら。

 

夢降る隠れ処へ、帰ってきてくださいね。

 

ここは、「勝った人」だけの場所でも、「すごい人」だけの居場所でもありません。

 

夢を追いかけて、うまくいかなかった日も。

 

悔しくて、情けなくて、それでも歩いてきた人たちが、ふわっと肩の力を抜ける居場所です。

 

縁側で、お茶を淹れて待っています。
ほっくほくの焼き芋も作れるといいなぁ。

 

ゆっくりして、勝ち負けも、肩書きも、結果も、ぜんぶ外に置いて。

 

ただ、夢を生きてきた話を、聞かせてほしい。

 

この日、畳の上で見せてもらったものは、僕ひとりの胸を熱くしただけじゃなくて。

 

変人師匠の背中を押し、ポンコツ仲間たちの夢を思い出させてくれて・・・

 

「それでも夢を続けていいんだよ」と、そっと教えてくれました。

 

そして小倉山杯では、勝負だけじゃなく・・・
仲間たちとのご縁にも、そっと恵まれているんです。

 

競技かるたが好きな人。
「ちはやふる」が好きな人。
同じ世界を大切に思う人たちとワクワクドキドキ畳の上を探検して、さり気ないことで笑い合えるのがただただ嬉しくて。

 

ポンコツで、やらかしまくりで、人見知りで。
正直、人間があまり得意じゃない僕でも。
この場所では、みなさんの優しさに、ふわぁっと包まれて癒される。

 

だからね、またみなさんに逢えると思うと、小倉山杯に行くのが自然と楽しみになるんです。

 

「その時まで、元気に生きよう」
「好きなことを、続けていこう」

 

畳の上でぶつかり合う魂たちが、そんなふうに優しく背中を押してくれる。

 

そうして、夢の続きを生きることができて・・・
また、夢降る隠れ処へ帰ってくる。

 

そんな第6回ちはやふる小倉山杯は、勝負を超えた「生き方の探検」でした。

 

そして、この探検は、まだ続いているんです・・・!

 

どうか次は、あなた自身の目で、畳の上の世界を感じてみてください。
胸にグッと響いてくるものがあるあなたも、夢を生きる仲間なんですから。

 

畳の上でぶつかっていたのは、勝ち負けじゃなく・・・
「それぞれが生きてきた人生」でした。

第7回ちはやふる小倉山杯・チケット販売ページはこちら

 

この大会が楽しく続いていきますように。
この面白い世界が未来へ巡っていきますように。

 

みんなが好きなことに無我夢中になって、夢の続きを生きられますように。

 

夢降る隠れ処の若旦那・探検家タガメのリョウ